Frigateというカメラ録画システムと、容易に入手可能なTP-Linkのtapoカメラによる防犯カメラシステムが構築後2年ほど運用し、試行錯誤の末、安定稼働したため、20年ほど前から防犯カメラ工事を片手間にやっていた経験談を踏まえて、Frigateで安く高性能、大規模な監視カメラを導入するノウハウをご紹介させていただきます。
AIにおおよその構成をお伝えしたイメージ図は以下。すごいですねAI描画。その通りですよ。

Frigateって?他の監視カメラシステムは?
Frigateは数あるオープンソースの監視カメラシステムの中でも、GPUによる支援機能が強力なソリューションとなります。以前、ZoneMinderやShinobiも試しましたが、結局、先進的な機能が盛りだくさんで安定稼働するFrigateに落ち着きました。
Frigateの画面は?
全部のカメラをお見せすることは出来ないので、サンプルとして。

Frigateで録画は出来るの?
出来る。常時録画と検知前後のみ録画が出来る。
※Frigate内でメモリキャッシュをもっていて、検知前の動画を捨てずにキャッシュには蓄えている。そのキャッシュ情報を使って「検知前」から保存できる。
Frigateの構成例は?
難しいことはなくて、同一LAN上にネットワーク接続可能でRTSP対応のカメラがあればいいだけです。カメラは1,2,3台・・・20台・・・と増やすことが出来ます。
※私の実際の運用台数は28台まで増えましたが、記事中では余裕を持たせて20台にしています。
外出先からインターネット経由で見れる?
見れます。VPN機能があるルータを利用し、外出先からVPNを張って、http://Frigateサーバ:8971へアクセスするだけです。
※最低限、VPNを通してください。間違っても直接外部公開してはいけません。
導入:必要ハードウェア
TP-Link tapoシリーズといっていますが、基本的にRTSPという映像を流すプロトコルにさえ対応していれば、どのメーカー製カメラでも良いです。
大事なのはむしろFrigateをインストールするサーバ機の方でして、CPUだけで動かすと、CPU処理能力が不足しますので、GPUによる支援機能を活用します。以前はこの手のことをするときは「よし!nvidiaのGPUでcudaだ!」となっていたのですが、ことFrigateにおいてはIntelのCPUオンボードのGPUによるデコード支援がとても秀逸です。低消費電力のn1xxやn3xxシリーズ、あとはノートパソコン用がおすすめで、コアは4コア以上あると性能面で余裕が出ます。
※Frigateのハードウェアアクセラレーション機能は、Intelだけではなく、AMD/nVidia、Google Coral等も対応しています。
CPU・GPUについて
✗以前の高性能CPU(第8世代以下のIntel CPU。GPUエンコード処理でエラー多発して使い物になりません)
✗nvidia製ビデオカード(Intel GPUエンコード性能が高すぎて、数世代前の高消費電力の焼き直し型番に意味が見いだせない)
△AMD製のCPUとそのオンボードGPU(Frigateで実績が少ない?大抵の場合はIntelに行くみたいなので。使えないわけではなく、CPUエンコードなら問題ないはず)
◯できる限り世代の新しいオンボードGPUのあるIntel CPU
| カテゴリ | 必要購入品 | 備考 |
| 防犯カメラ | tapoカメラの太陽光モデル以外 | ・太陽光モデルはRTSPに非対応 ・他社製品でもRTSP対応なら問題なし ・値段は安いときは3000円ぐらいから |
| Frigateサーバ | Intel製の13世代CPU以上を推奨 ※IntelのGPUエンコード支援性能が圧倒的です。n305という安めのCPUで、20台以上で運用しています。N150なら10台程度を目安にできるかと | ・N150,305等が良い ・少し古くなったノートパソコンの流用でもOK ・Intel8世代目以前はGPUアクセラレーションでハマるので非推奨 |
| 無線LANルータ | 既存の無線でOK | Wi-Fi5で十分です。 |
| 閲覧用PC | 既存PCでOK | http://Frigateサーバ:8971/ でアクセスします。 |
| スマホ、タブレット | 同一LANにいれば、PC同様アクセス可能です | 同上 |
録画先HDD・SSDについて
Frigateはカメラ画像を解析して物体検知・イベント検出をして、設定に従って保存する仕組みを採用しているため、わざと検知なしの時間帯も録画させない限りは、100GBでも十分だったりします。
そのため、内蔵のm.2タイプのSSDの30GBにOSやFrigateを入れて、録画領域に70GB以上みたいな構成でも全く問題ありません。「もっと録画したいな」「安定稼働したのでカメラをあと10台追加」となったら、HDDで2TBとか買い足せばOKです。
なお、私はOS部分がm.2のSSDで、HDDは8TBです。しかし、カメラ20台運用でも、10日分で録画データは50GB弱でして、1年経ってもHDDが満杯にならない計算です。
雑に言ってしまえば「中古のノートPC内蔵SSDでOKです。安定稼働後に容量が足りなければUSB接続のHDDを追加しましょう」です。
Frigateのセットアップ方法
Ubuntu26.04をベースに利用します。その上でdockerとしてFrigateをセットアップします。
Ubuntu26.04のインストール
Ubuntu Server版をダウンロードしてインストールします。ISOがダウンロードできるため、ISOをDVDに焼いてDVDからブートさせるのが一番手っ取り早いです。USBメモリに焼いてから利用するならrufusをダウンロードして、8GB以上のUSBメモリを挿し、ダウンロードしたISOを用いて起動用USBを作成・インストールします。
Ubuntu26.04インストール後の初期設定
Frigateは、各種カメラからのRTSP通信をtmp領域で受け、それを実HDDに書き出すため、ファイルを大量に開きます。それはもう、1000ファイルでは足りないくらいに。なので、以下の手順の通り、OS自身のファイルオープン上限数とDockerの同様の設定をいじっておく必要があります。
また、以下はIntel GPU前提のコマンドです。
サイドの繰り返しになりますが、nvidiaのGPUはFrigateを使うにあたっては、ほとんどコストメリットが無いので、nvidiaのビデオカードにかけるコストがあれば、Intel cpuの新し目の世代を買ったほうがいいです。
sudo apt update ; sudo apt upgrade
# ipv6はFrigateサーバで利用するメリットが無いので無効化
sudo vi /etc/sysctl.d/99-disable-ipv6.conf
# 以下を設定ファイルに追記
net.ipv6.conf.all.disable_ipv6 = 1
net.ipv6.conf.default.disable_ipv6 = 1
net.ipv6.conf.lo.disable_ipv6 = 1
sudo sysctl --system
sudo vi /etc/default/grub
# 以下を設定ファイルに追記
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash ipv6.disable=1"
# grubの反映
sudo update-grub
# 日本語パッケージのインストールとタイムゾーンをJPへ
sudo apt install -y language-pack-ja
sudo locale-gen ja_JP.UTF-8
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
# 追加で利用しそうなパッケージをセットアップ
sudo apt install -y build-essential zlib1g-dev libssl-dev libreadline-dev libyaml-dev libcurl4-openssl-dev libffi-dev subversion git
sudo apt install -y smartmontools net-tools unzip dkms
# OSのファイルオープン上限値設定を上げる
ulimit -n # 現在の設定値を確認
sudo vi /etc/security/limits.conf
# 以下を追記
* soft nofile 65535
* hard nofile 65535
root soft nofile 65536
root hard nofile 65536
sudo vi /etc/sysctl.conf
# 以下を追記
fs.file-max = 100000
sysctl -p
sudo mkdir -p /etc/systemd/system/docker.service.d
sudo vi /etc/systemd/system/docker.service.d/override.conf
# 以下を追記
[Service]
LimitNOFILE=65536
sudo systemctl daemon-reexec
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl restart docker
sudo vi /etc/pam.d/common-session
session required pam_limits.so
# 一応再起動
sudo reboot
## 再起動完了後、dockerコマンドでFrigateをインストール
# passwordhereとある場所は好きなパスワードを入れます。
export PASS='passwordhere'
sudo mkdir /mnt/Frigate
sudo docker run -d \
--name Frigate \
--restart=unless-stopped \
--stop-timeout 30 \
--privileged \
--mount type=tmpfs,target=/tmp/cache,tmpfs-size=7073741824 \
--device /dev/dri/renderD128 \
--shm-size=4560m \
--ulimit nofile=35535:35535 \
-v /mnt/Frigate/storage:/media/Frigate \
-v /mnt/Frigate/config:/config \
-v /etc/localtime:/etc/localtime:ro \
-v /mnt/Frigate/log/dir:/dev/shm/logs \
-e FRIGATE_RTSP_PASSWORD='${PASS}' \
-p 8971:8971 \
-p 5000:5000 \
-p 8554:8554 \
-p 8555:8555/tcp \
-p 8555:8555/udp \
ghcr.io/blakeblackshear/Frigate:stable
# 初回起動時のみdocker logsにパスワードが出ます。
# GUIログイン時に必要なのでメモしてください。
docker logs -f Frigate
上記までで一通りのFrigateセットアップが完了します。セットアップが一通り終わったら、http://サーバのIP:8971/へアクセスします。
その後、画面下の歯車設定マークから、設定エディタを開きます。

設定エディタが開いたら、Intel GPUを使うように設定を変更し、ついでにtapoのカメラを登録します。
tls:
enabled: false
#audio: # <- enable audio events for all camera
# enabled: false
auth:
session_length: 31536000 # 1 years
enabled: false
proxy:
default_role: admin
detectors:
ov:
type: openvino
device: GPU
model:
width: 300
height: 300
input_tensor: nhwc
input_pixel_format: bgr
path: /openvino-model/ssdlite_mobilenet_v2.xml
labelmap_path: /openvino-model/coco_91cl_bkgr.txt
ffmpeg:
hwaccel_args: preset-vaapi
face_recognition:
enabled: true # 顔認識自体のオン/オフ
model_size: large # small/lightweight or large/高精度
unknown_score: 0.8 # 未登録顔を unknown と判定する閾値
detection_threshold: 0.7 # 顔検出の閾値(0〜1)
recognition_threshold: 0.9 # 登録済顔との一致閾値(0〜1)
min_area: 750 # 顔として認識する最小領域(ピクセル)
min_faces: 1 # 1フレームあたりの最小顔数
save_attempts: 100 # 登録時に画像を何枚まで試行するか
blur_confidence_filter: true # ぼやけている顔は無視
cameras:
# 1台目のカメラ
tapo1gouki: # <------ Name the camera
enabled: true
ffmpeg:
inputs:
- path: rtsp://tapouser:tapopasswd@192.168.1.30:554/stream1
roles:
- detect
record:
enabled: true
audio:
enabled: false
detect:
enabled: true #
objects:
track:
- person
- car
- bicycle
# 2台目のカメラ
tapo2gouki: # <------ Name the camera
enabled: true
ffmpeg:
inputs:
- path: rtsp://tapouser:tapopasswd@192.168.1.31:554/stream1
roles:
- detect
record:
enabled: true
audio:
enabled: false
detect:
enabled: true #
objects:
track:
- person
- car
- bicycle
# 他にカメラがあれば、1台目の塊をコピペして、3、4台目と続ける
record:
enabled: true
version: 0.17-0
camera_groups:
Jitaku:
order: 1
icon: LuFlower
cameras:
- tapo1gouki
- tapo2gouki
detect:
enabled: true
実は、Frigateはface_recognitionオプションで、顔認識をしてくれます。設定値の後ろに値の意味を書いておいたので、適宜いじって保存、テストしてみてください。
なお、私が使っているバージョンでは「顔データを自分のPC上で編集して、Aさんの顔30枚をアップロード。いろいろな角度で登録」みたいなことをして、やっとAさんを認識してくれました。しかも、防犯カメラは遠目に映すことが多いので、顔認識時は、その顔の周りをピックアップして認識エンジンにかけるため、自然と誤検知が増えます。
※最新バージョンでは、顔認識機能はもっと使いやすくなっている可能性があります。
そういった意味ですと、高解像度のカメラ(5Mピクセル/8Mピクセル等)を使っていると、認識精度が上がりそうです。逆に動体検知で反応してその前後さえ録画してくれればいいのであれば、普通に2Mピクセルのカメラでも十分です。
QA:専用ハードとFrigate運用について何が違うの?
防犯カメラシステムをアナログ時代から受注・納品していた経験から、プロフェッショナル用途にFrigateが耐えられるかという観点を含めて、録画機(DVR)を専用機として購入する場合と、Frigateで自作する場合の比較表を作成したものが以下です。
| 質問 | 専用機 | Frigate自作機 |
| 録画サーバコスト | ピンキリ 2万〜100万オーバー | ・0円(余り物流用) ・3万前後(ノートPCを流用) ・10万前後(20台以上サポートするスペック) |
| 消費電力 | 15w-90w程度 | 15w(n305やノートPC)-150w(デスクトップ向けハイエンドCPU、HDD複数本)程度 |
| メンテナンス | 保守契約の範疇で | 自身で |
| サポートカメラ台数 | 2台〜16台(4、8-9、16台でハードウェア設計されていることが多いです。というのも、モニタに出した際に4分割、9分割、16分割は見栄えもよく、チップ側は4,8,16ポートが都合が良いからです) | やりたい放題。CPU、メモリ、HDDが許す限り (n305で24台登録してもまだ余裕があります) |
| モニタ監視 | 1台のハードウェアで完結。RGBやHDMIでモニタ出力して、リモコンや前面パネル操作が多い | Frigate以外のPCからhttp://FrigateサーバのIP:8971/へブラウザで接続して表示。iPhone,iPad,Androidでも閲覧可能 |
| PCサポート | △(無い機種も多い) | 上記の通り、http://FrigateサーバのIP:8971/へアクセスするだけ |
| スマホサポート | ✗(無い機種が多い) | 同上 |
| 安定性 | ◯ | △〜◯ ※一度安定させれば常時稼働可能。GPU周りでハマると△なので、Intelの12世代目以降を推奨 |
| おすすめ用途 | 普段いかない客先に納品するケース(店舗等だと、万引きや事故画像提出を店員や店長が実施することもあるので、DVD入れたらすぐにコピーできるハードでないと運用に耐えられないケースがある) | 自身で面倒が見れ、手が届く範囲 (サーバ構築できるなら、データ書き出しや不具合対応もできる想定) |
| サポート対象カメラ | メーカーサポート対象に限る | RTSPサポートのカメラであれば、大抵動く |
| サポート対象カメラ単価 | 1万〜15万程度/1台 (国内メーカーの場合は5万〜10万近辺を覚悟) | 3000円〜2万円 (RTSP対応の国内メーカー製品も使える。10万近辺出すなら) |
質問いただければ更に追加しますが、総じていうと、Frigateを維持できる管理者がいないような店舗利用等は、4chや16chの専用機を買いましょう。そうでなければFrigateも選択肢として有力ですというものです。
Frigateを利用するにあたって、オススメのカメラは?
タイトルに有る通り、TP-Linkの太陽光パネルモデルを除くtapoシリーズが有力候補です。太陽光パネルモデルはバッテリー駆動を実現するため、常時Wifiでデータ送信するRTSPサポートがないので、Frigateには向きません。
また、有線モデルと無線モデルがありますが、設置するうえでLANケーブルを這わせることができるなら有線モデルの方が良いですが、無線モデルも電波が十分に届く距離であれば、普通に24/365でデータが届きますので、設置先次第で決めてください。有線のPoEモデルもOKですがPoE対応のスイッチを購入しなくてはいけないので、こちらも設置場所次第です。
オススメのカメラをご紹介する前に、用途毎の適切な選定基準は以下です。
| 設置場所 | 電源コンセントが近場にある | 電源コンセントが無い | 無線 | 有線 | PoE |
| 自宅の部屋の中 | ◯ | ◯ | △ | ✗ | |
| 軒下 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 軒下 | ー | ◯ | ✗ | ✗ | ◯ |
| 庭先 | ー | ー | ✗ | ✗ | ◯ |
電源コンセントから数メートル程度であれば、電気の線を引っ張っても良いのですが、30mも電気の線を引くと、それだけで1万円を超えることもあるので、そんなことをするくらいなら安いLANケーブルのみを這わせてPoEでLANケーブルを介して給電するのが良いです。
そして、注意点なのですが、PoE対応のカメラはそれなりに高いです。大体1万円ぐらいからで、PoE対応スイッチは7千円ぐらいからです。TP-LinkでPoE対応させようと思うと、vigiシリーズか、PoE用のアダプタを購入し、カメラ直前でLANケーブルから電気のみ取り出し、それをカメラに接続する形になります。
太陽光パネル付きのカメラは、そういう場所に設置するものですね(電源が取れる場所に設置しても、元が取れません)。
やっと、オススメの防犯カメラ一覧です。
| 機種名 | おおよその値段 | 画素数 | 備考 |
| Tapo C200 | 3800円 | 2M | これを買うならC211が良い |
| Tapo C211 | 3500円 | 2M | お奨め。黒。 |
| Tapo C100 | 3500円 | 2M | これを買うならC113が良い |
| Tapo C110 | 4000円 | 3M | ちょい古い |
| Tapo C113 | 4000円 | 4M | 防水/屋外可 |
| Tapo C120 | 5500円 | 4M | 防水/屋外可 |
| Tapo C500 | 7700円 | 2M | 防水/屋外可 |
| Tapo C510W | 8500円 | 3M | 防水/屋外可 |
| Tapo C520WS/A | 9500円 | 4M | 防水/屋外可 |
| Tapo C230 | 6800円 | 5M | |
| Tapo C325WB | 13430円 | 4M | 防水/屋外用 |
Frigateサーバのおすすめは?
正直なところ、Intelのできるだけ新しいGPU内蔵タイプの低消費電力CPUが一番良いです。n305やn100/n150等です。
miniITX用のサーバマザー用にCPUを直につけたタイプのマザーボードも少し前まではAmazonなどによく売っており、n150なら2万以下、n305でも4万以下で購入可能でした。これにメモリやSSDなどをつければ良い感じに動くFrigateサーバができました。
しかし、これらのCPUは昨今の半導体不足で入手しにくくなっています。そのため、少し世代落ちしたノートPCにUbuntuを入れて運用するのが、昨今ではコスパが高いと思います。
メモリはどんなに少なくても4GB以上。可能なら8GB〜16GBは欲しいです。私の環境ではCPUは4コア8スレッドで28台のカメラを使ってCPU仕様率が80%ちょいでしたので、(普通はそんなにカメラを登録しないため)その半分でも良いと思います。
ストレージは、HDDでも問題ありません。OS起動時に少し遅い程度で、起動してしまえばHDDでも十分なので。
その前提でおすすめハードをチョイスしてみると以下のようになります。Intelのn305/n150/n100は市場に在庫がなくなっているので、リユースのノートPCを購入するのが良いと思います。バッテリーがUPS機能を果たしてくれますので、多少の停電ならサーバの再起動などを気にしなくても良くなりますので(カメラやNW機器は電気が来れば勝手に起動します)。
| サーバ機 | CPU | メモリ | SSD/HDD | 値段 |
| n305 自作PC | n305 | 16G | SSD 1TB HDD 8TB | 10万 |
| n100 自作PC | n100 or n150 | 8GB | SSD 128GB HDD 1TB | 5万 |
| ノートPC | i5-1235U | 16GB | SSD 512GB | 59,800 |
| ノートPC | i5-1245U | 8GB | SSD 256GB | 49,800 |
もしも、フリマでn305等が出品されていたら、掘り出し物かもしれませんね。
施工を業者に任せたい。おすすめ業者は?
結構、街の電気屋さんも相談するとやってくれるところはあります。不得意だった場合でも「そういえば、仲間内の◯◯電気屋がやっていたな」みたいに紹介してもらえたり。
そして、その相場感なのですが、距離と施工内容次第です。ビル周りにぐるっとカメラを設置したい。ケーブルは地上配線OKなら安いでしょうし、ケーブルを土の下に埋めたければ(掘るんだから、重労働なので)高くなるでしょうし、その距離次第で電線やLANケーブルの長さも変わります。どんなに安くても事前の現場調査と、工事1日なので5万から。10台程度なら30万は取られることを覚悟してください。
また、電気屋さんが防犯カメラのセットアップ全体をやれることは、非常に稀なケースなので、設定はご自身でとなると思います。
Frigateの常時運用で困ったことはある?
ある。1台4000円程度で購入可能なWi-Fiカメラを使うからこその悩みが。順に紹介します。
1台4000円程度のWi-Fiカメラは安定するのか?
する。少なくとも実用に耐えられる。24時間録画だったとすると、Wi-Fi電波の悪い場所は1時間/24時間撮れていない場合もあった。下手すると一日の半分。しかし、電波のいい場所や、有線モデルは撮れていない時間帯は無かったです。
また、Tapoは大量生産品ということもあり、ロットによって当たり外れがある。ハズレ製品はそもそもMicroSDカードの認識が甘かったり、MicroSDカードを定期的に勝手にフォーマットしたり、更に通信が不安定だったりする個体に何度かあたった。
大抵の場合、この手の症状は初期不良で最初から調子が悪いので、サポートセンターに電話すると交換してくれる。当時の感覚値ですが、最初の1ヶ月ぐらいに連絡すると引取送料を先方で負担してくれるが、それなりの期間が経っていると返送送料は自己負担だった。あと、有線モデルでも何故か映像が切れる個体があった。大抵の場合、個体の問題なのでサポート交換対応
※と言っても、5年の間に28台のうち、2,3台交換した程度です。
1台4000円程度のWi-Fiカメラの耐久性はどうなのか?
1台8万とか10万する業務用カメラは15年ぐらい持つことも普通だが、TP-LinkのTapo C100やC200は、最初に買ったものが2020年春頃。その頃に買ったカメラは8台あるが、2026年夏過ぎあたりで、カメラ画像が頻繁に乱れたりするようになった。2020年頃に発売していたTapoシリーズは、5〜6年ぐらいでガタがきている。今はTapoの新しいシリーズに切り替え途中。逆に言えば5年は保った。4000円という低価格を考えるとこれは成功だと思う。
結局、低価格の防犯カメラはありか?
条件を限定すればあり。
条件とは、自身でメンテナンスできること。メンテナンスと言っても、Wi-Fiの感度が低ければWi-FiルータをAPモードで追加したり、カメラが壊れたら買い替えたりぐらいです。ちなみに、Tapoシリーズは1年〜3年保証がついているので、保証期間内の場合は保証対応ですね。
カメラ20台も1台のFrigateサーバで本当に動くのか?
全部のカメラを5Mピクセルにして、全カメラ動体検知をONにしたら厳しいと思う。というのも、動体検知に結構なCPU/GPUパワーを食うから。反対に、要所要所が3Mピクセル、4Mピクセルで、撮れていればいい場所は2Mピクセルも混在の環境なので、ほぼすべてのカメラで動体検知をONにしても、なんとかなっています。ちなみに、以下がCPU、GPU使用率です。

カメラ一台あたりのトラフィック量の見積もりは?
これ、面白いことに、2Mピクセルだから4Mbpsとかではありません。カメラ側でH.264/H.265圧縮をして転送してくるため、カメラ側の圧縮能力に依存します。そのため、古いカメラだとH.264でも圧縮率が低く、新しい安物カメラの2〜3倍の帯域を食うこともあります。ちなみに、以下の上側がTapoC113(3Mピクセル)、下がTapoC200(2Mピクセル)です。

OSのアップデートで動かなくなったことはある?
ない。一度安定してしまえばOSのアップデートで動かなくなったことはないです。
Wi-Fiカメラは何台まで行ける?
うちのn305と8TBのWDのHDDだと、28〜32台ぐらいで打ち止めだと思います。ただし、動体検知有無とカメラの画素数の調整次第では30台オーバーも狙えると思います。n305等の低消費電力CPUではなく、Corei5等で4コア8スレッドのIntel13世代以上を買えば、CPUスペック上は、倍は行けそうな気がしますが、試したことはないので、出来たら教えてください。
Wi−Fiの帯域幅はどの程度?Wi-Fi6とかWi-Fi7は必須?
うちはWi-Fi5です。LANは1Gbpsあれば十分です。サーバへの流入速度は15Mbps程度です。1Gbpsは1000Mbpsなので、「うちはカメラ10台買うので、5000MbpsのWi-Fiが必須だ」ということはないです。
更に言うとですね・・・Wi-Fi接続のカメラスペックをよく見てください。IEEE802.11b/g/nのものが大半です。以下はTP-Link Tapo C113の仕様から、ネットワーク箇所を取ったものです。Wi-Fi6のaxとか記載がありませんよね。カメラ側がWi-Fi4で接続するので、Wi-Fiルータ側へは、下位互換モードでWi-Fi4で接続されるだけです。

また、経験上、1Gbpsが主流になった2004年前後は、1GbpsのLANカードが爆熱で2万程度でしたが、3年後には落ち着いており、5年後には3千円程度で発熱もほぼありませんでした。そう考えると、熱ばかり出る出たてのネットワーク製品をカメラのために無理して買う必要はないと思います。
おすすめのWi-Fiルータは?メッシュとか必須?
うちはElecomが多いです。BuffaloやASUSも良いと思います。メッシュは利用しておりません。低価格機種だとローミング機能もないので、単純に「このエリアはSSID1、このエリアはSSID2」という設計でも動きます。
Wi−Fiのアクセスポイントは1つだけでOK?
カバーしたい距離によります。Wi-Fiルータは、ルータモードとAPモードがあり、APモードにすればルータ機能がなくなり、ただのアクセスポイントになります。多くても普通は3,4台だと思います。ルータはある程度値段の張る物でも良いですが、APは型落ちのWi-Fi5で4000円前後のもので大丈夫です。
仕事用とカメラ用のLANを分けたほうが良い?
うちはVLANで分けています。というのも、カメラはクラウド上の管理サイトと繋がっているため、万が一、管理サイトがクラッキングされた場合、カメラ側のネットワークに不正侵入される可能性がゼロではないためです(ほぼゼロに近いですが)。
カメラ1台追加するのにどのくらいの時間がかかる?
慣れると
- 【10分】Tapoアプリでカメラの設定とファームウェア更新
- 【10分】設置
- 【5分】Frigateの設定追加(既存カメラの設定をコピペしてIPを微修正)
- 【3分】動作確認
と、大体30分程度です。
録画データの書き出しはできる?USBやDVD-Rに。
下の画面の通り、左側で青く光っている録画データ参照画面から、書き出しが可能です。mp4ファイルとして書き出した後、ダウンロード可能ですので、それをWindowsPCやiPhoneにダウンロードして、メールに添付するなり、USBやDVDに書き込むなりしてください。つまり、クライアント側でmp4をダウンロードしたあとはどうとでも出来ます。

顔認識精度はどのくらい?
まぁまぁです。バージョンとカメラの録画性能によります。
導入費用と年間ライセンス費は?
有償ライセンスもありますが、今のところは無償ライセンスで使えます。カメラの台数制限もないです。
カメラ含めた総額は?
安い構成だと、
- TapoC113・・・・・(4500円程度)✕ N(必要台数)
- Frigateサーバ(中古ノートPC)・・・4万円✕1台
なので、カメラ4台構成なら税込み6万前後でしょうか。
録画用の専用機は「カメラ4台まで」「カメラ8台まで」と制限があるのですが、Frigateの面白いところはその制限がハードウェアスペック次第なので、「4台つけた。ここも監視したい。じゃあ4000円のカメラ1台だけ追加」が出来ることです。
手を出してはいけない人・好ましくないケースは?
間違いなくいる。思いつくところでは
- 自分でメンテナンスできない人
- 店舗利用などで、店員誰でも使える必要がある場合
- 定期的に画面を確認できない人(業務用は耐久性が高いが、4000円程度の民生機は本来その耐久性ではない。当たり前。そのため、2年放置とかには耐えられない。せめて1ヶ月に一度は確認が必要)
- カメラの向きをどう変えても、お隣がバッチリ写ってしまう家に住んでいる場合(ご近所トラブルになる可能性がある。赤ちゃんやペット用で屋内だけならOK)
- 必ず録画されている必要がある用途の場合